- 焼きそば麺とラーメン用の麺の違いを教えて
- それぞれの麺の特徴が知りたい
- ラーメン用の麵で焼きそばを作りたい!
実は、焼きそばとラーメン用の麺に違いはありません。
どちらも同じ原材料と製法で作られた、
中華麺を使っているからです。
したがって、それぞれの麵は代用できます。
わたしも、調理歴15年の料理人に教わった方法で、
ラーメン用の麵で焼きそばを作ることがあります。
この記事は、焼きそばとラーメン用の麵の違いや、
代用方法について詳しく解説します。
最後まで読めば、中華麺の違いが分かり
新しい調理法が発見できます。
結論から言うと、焼きそばとラーメン用の麺の違いは、
「蒸してあるか、生のままか」だけです。
焼きそば麺とラーメン用の麺の特徴【違いは生か蒸しているかだけ】
焼きそばの麺もラーメン用の麵も、同じ中華麺です。
同じ材料と製法で作られますが、
仕上げ方に大きな違いがあります。
焼きそば麺は蒸してあるのに対して、
ラーメン用の中華麺は加熱処理をしていない生麺です。
また、メーカーによっては、
焼きそば用とラーメン用で材料の配合が違います。
前提として、中華麺について先に解説します。
両者の違いをより明確にするためです。
中華麺について
中華麺の主な原材料は、「小麦粉・かん水・塩・水」です。
かん水を使う点がうどんや蕎麦との違いで、
麺にコシが生まれ、独特の色と風味になります。
麺に特徴を持たせるために、
酒・卵黄・卵白などを加えている所も多いです。
おおまかな作り方は次のとおり。
- 材料を混ぜ合わせ、強い力でこねて玉にする。
- 生地を寝かせる。
- 打ち粉をしながら平たく伸ばす。
- 細く切って完成。
水の量(加水率)は、
多いほど「伸びにくく柔らかい麺」になり
少ないほど「伸びやすくコシが強い麺」になります。
お店や製麵所ごとに配合が違い、
作り方は企業秘密にする場合がほとんどです。
また、気温や湿度によっても左右されます。
(例)
- 湿度の高い季節や地域は低加水。
- 湿度が低く、乾燥する季節や地域は多加水。
焼きそば用中華麺の特徴
麺を蒸してある
蒸すことで弾力を出すためです。
もちもちとした食感になり、
焼いても硬くなりません。
逆に、しっかり焼き目をつけないと、
グニャっとした食感になります。
あらかじめ加熱してあるので、
調理時間が短くて済みます。
茹でてから調理するタイプの蒸し麺もあります。
油がまぶしてある
炒めるときに、麺がほぐれやすくするためです。
加熱することで油がまわり、
ある程度は自然にほぐれます。
また、全体的にまぶした油の効果で
香ばしく仕上がります。
生麺と違いやわらかいので、
丁寧に扱いましょう。
特に、焼き目がつく前にいじり過ぎると、
麺がボロボロになってしまいます。
ラーメン用中華麵の特徴
生麺
水分を多く含んでいるので、
茹で時間が短いという特徴があります。
(細麺:2~3分・太麺:3~4分)
茹で・蒸し・炒め・揚げなど、
色々な調理方法ができて便利です。
(例:蒸してから揚げる・茹でてから炒める)
反面、水分が多いため
蒸し麺よりも日持ちしないことが難点です。
(1~2週間ほど)
打ち粉がしてある
麺が空気中の水分を吸って、
くっつくのを防ぐためです。
しっかり打ち粉を落としてから茹でないと、
ヌメリ気が残ってしまいます。
また、お湯の量が少ないと茹で汁がドロドロになって、
麺までドロッとした仕上がりになります。
それぞれの麵の代用方法【生麺で作る焼きそばは本格的な味】
結論から言うと、焼きそば麺でラーメンを作るのは
かなり難しいでしょう。
蒸してある麺をさらに茹でるので、
コシのない麺になりやすいからです。
逆に生麺で焼きそばを作る場合は、
ひと手間かけることで、本格的な味になります。
ラーメン用の生麵で作る本格焼きそば
重要な工程は1つ、「蒸し麺作り」です。
市販の蒸し麺と違い、
抜群の歯ごたえと生麺ならではの風味が存分に味わえます。
逆に、失敗すると粉っぽいボソボソした
食感になる恐れがあります。
つまり、蒸し麺さえ上手に作れれば、具材やソースが普通でも
美味しい焼きそばができるのです。
下記の段取りをぜひ参考にして、
本格的な焼きそばを作りましょう。
難しい技術は1つもありません。
1. 蒸し器を用意する
蒸し器がない場合は、
調理器具や食器を使って簡易的な蒸し器を用意します。
フライパンか深めの鍋に3~4㎝の水を張り、
真ん中に耐熱用のお皿で台を設置します。
火傷防止のため、必ず台を設置してから点火してください。
麺はあらかじめ、金ザルか平皿に広げておきます。
フライパン内の水が沸騰したら、麺をのせたザルか皿を台の上に置きます。
火傷しないように、火を止めてから行いましょう。
2.ふたをして蒸す
沸騰した状態をキープしてください。
蒸し時間は、記載されている茹で時間の2~3倍です。
硬めなら2倍、柔らかめなら3倍を目安に、
お好みの硬さに調整しましょう。
3.蒸し上がった麺に熱湯をかける
忘れがちですが、重要な工程です。
くっつかないように、熱湯をかけながら麺をほぐします。
熱湯をかけることで残った打ち粉を落とし、
粉っぽさを防ぐ効果もあります。
仕上げに油をまぶして、お手製蒸し麺の完成です。
4.お好みの具材や味付けで焼きそばを作る
おたふくソース1:ウスターソース1
やや甘めの焼きそばソースです。
ウスターソース1:オイスターソース1:しょうゆ1
酸味をおさえた、香ばしいソースです。
鶏ガラスープの素1:ゴマ油2:塩コショウ少々
塩焼きそばのソースです。
お好みでニンニクを入れても良いでしょう。
蒸し麺以外で作る本格焼きそば
「蒸すのは面倒くさい…。」
蒸す代わりに茹でる方法があります。
茹でた麺を炒めると、
市販の蒸し麺に近いモチモチ感が出ます。
関西地方では、
蒸し麺より茹で麺を焼きそばにする店が多いほどです。
コツは硬めに茹でること。
袋に記載されている茹で時間より、30秒ほど早く上げます。
フライパンで炒める時間があるからです。
パスタを作る際に、フライパンでソースと混ぜる時間を計算して、
茹で時間を少し短くするのと同じ理屈です。
もう一つ、蒸してから茹でる方法もあります。
蒸し上がった麺に熱湯をかける工程を
より丁寧に行います。
1. フライパンに残っている熱湯に、
水を足して再び沸騰させる。
2. 台を取り除いたフライパンに、
蒸し上がった麺を入れて30~60秒茹でる。
3. お湯を切って、油をまぶせば完成。
焼きそば麺で作るラーメン
まず焼きそば麺に熱湯をかけて、油を落とします。
こってり好きな人なら、省略しても問題ありません。
茹で時間は30秒ほど。
お好みで微調整してください。
くれぐれも、茹で過ぎには注意しましょう。
温め直すくらいの感覚の方が、失敗しません。
とはいえ、生麺のような食感にはならないと
理解しておいてください。
むしろ、麺を炒めてからスープに入れる
「スープ焼きそば」の方がおすすめです。
焼きそばとラーメン用の麺の違い【まとめ】
- 焼きそば麺とラーメン用の麺は同じ中華麺。
- 違いは仕上げ方。
- 焼きそばは蒸し麺。
- ラーメン用の麵は生麺。
- 焼きそば麺でラーメンを作るのは難しいが、
- ラーメン用の生麵で焼きそばを作ると本格的な味になる。
お手製の蒸し麺を油で揚げれば、
かた焼きそば用の揚げ麺も作れます。
焼きそば用の蒸し麺を揚げるより、カリカリに仕上がります。
焼きそばは、麺のできが味に直結します。
手間と時間はかかりますが、試してみてはいかがでしょうか。