- 味噌汁一人分の適量が知りたい。
- 味噌の量り方や計算方法を教えて。
- 一人分の味噌汁を作るときのコツを教えて。
味噌汁一人分の適量は、水分に対して味噌が9~10%です。
計算式に当てはめることで、目安となる味噌の濃度がわかり、
必要な量が計算できます。
この記事は、
「味噌汁一人分の適量と量り方」について、詳しく解説します。
最後まで読むと、味噌汁の味が安定します。
結論から言うと、
「1カップ(200ml)に対して大さじ1杯(18g)」が、
作りやすい一人分の量です。
味噌汁一人分の量り方【水分量に対して味噌の量は9~10%が目安】
味噌汁一人分の適量は、
「水分量に対して9~10%の味噌」が目安です。
9%を標準として濃い目が好きな人は10%、
を目安にすると失敗しません。
下記の計算式で、目安となる味噌の濃度が計算できます。
溶質の質量(g)÷溶液の体積・容積(ml)×100=質量/体積パーセント濃度(%)
(※ 溶質の質量(g)は味噌の量 、※ 溶液の体積・容積(ml)は水か出汁の量)
例えば、ネットで紹介されているレシピを参考にすると、
次のように計算できます。
《二人分のレシピ》
味噌大さじ1杯は18gです。
- 水分量:350~400mlに対して、味噌の量:大さじ2杯(36g)
- 出汁の量:500mlに対して、味噌の量:大さじ2と1/2(45g)
《味噌の濃度》
- 味噌36g÷水400ml×100=味噌の濃度9%
- 味噌36g÷水350ml×100=味噌の濃度10.2%
- 味噌45g÷出汁500ml×100=味噌汁の濃度9%
水分に対して味噌の濃度が、9~10.2%になります。
市販のインスタント味噌汁は、お湯160mlに対して味噌の量が17g、
味噌の濃度は10.6%とやや高めです。
ただ、インスタント味噌汁の場合は、
お湯の量を調節して好みの濃さにできます。
目安となる味噌の濃度(%)がわかれば、
水分量から必要な味噌の量が計算できます。
作りたい味噌汁(ml)×目安となる味噌の濃度(9~10%)=必要な味噌の量(g)
作りたい味噌汁の量を200ml(200cc)とすると、
200ml×9%で18gの味噌が必要です。
「1カップ(200ml)に対して大さじ1(18g)」と、
覚えると忘れません。
インスタント味噌汁のお湯の量は、160mlが主流です。
160mlで一人分の味噌汁を作ろうとすると、
味噌の量は14.4gとなります。
約小さじ2と1/2(6g×2.5杯=15g)と半端な数字になり、
計量が面倒です。
味噌汁一人分の量り方
水や出汁、味噌の量り方には下記の方法があります。
- キッチンはかり
- 計量スプーン/カップ
- お玉
水や出汁の量を正確に量るには、
計量カップがおすすめ。
ない場合はお玉で量ります。
一般的な家庭用のお玉は、50~100mlです。
愛用しているお玉の容量を、量っておくと良いでしょう。
味噌を量るときは、計量スプーンがおすすめ。
はかりに比べると正確性は劣りますが、手軽に量れます。
キッチンはかり
一番正確な量り方です。
何人分の味噌汁であろうと、水分も味噌も正確に量れます。
計量スプーン
量るときの注意点があります。
「ml・ccとgは違う」ということ。
ml・ccは体積(大きさ)、
gは質量(重さ)を表す単位で、
食材によっては数字が違います。
必ずしも大さじ一杯が、15ml(15cc)=15gとはなりません。
味噌の場合、大さじ1杯は18gです。
「大さじ1杯が15mlだから、味噌も15gでしょ。」と、
勘違いして味噌の量を計算すると、
かなり濃い目の味噌汁ができあがります。
お玉
50ml量れるお玉なら、味噌が大さじで約3杯。(18g×3=54g)
一人分は、だいたいお玉1/3弱となります。
お玉で量るメリットは、洗い物が減ること。
量ったお玉でそのまま味噌を溶けば、余計な洗い物がでません。
味噌の種類ごとの塩分量と適量の違い
味噌は大きく4種類あり、それぞれ塩分濃度が異なります。
- 米味噌…全国各地で生産されている。
- 麦味噌…九州・四国・中国地方で主に生産されている。
- 豆味噌…八丁味噌が代表的、主に中京地方で生産されている。
- 調合味噌…上記の3種類を混合した味噌。
一般家庭でよく見かけるのは米味噌(淡色)で、
塩分は11%台です。
市販の味噌を購入する際に、
成分表示されている塩分量をチェックしましょう。
米味噌の塩分
- 甘味噌:(白)5~7%(赤)5~7%
- 甘口味噌:(淡色)7~12%(赤)11~13%
- 辛口味噌:(淡色・赤)11~13%
麦味噌の塩分
- 甘口味噌:9~11%
- 辛口味噌:11~13%
豆味噌の塩分
- 10~12%
具材や出汁の取り方によっても、
味噌の量を調節する必要があります。
本だしなどの顆粒だしには、塩分も含まれるからです。
また、わかめや油揚げは塩味や油分が多いので、
味噌汁がくどくなりやすいです。
味噌汁一人分の作り方【注意点とコツ・濃度の調節方法・時短方法を解説】
一人分の味噌汁を作るときの注意点とコツを解説します。
- 注意点・コツ
- 濃度の調節方法
- 簡単な出汁の取り方
- おすすめの具材・便利な味噌玉
毎日のことだけに、少しの手間が大きな負担になります。
手を抜けるところは、迷わず抜くことが自炊のコツです。
注意点・コツ
注意点
味噌を溶き入れた後は、絶対に沸騰させてはいけません。
風味が飛んで、味噌のえぐみや苦味が出るからです。
また、煮詰まることで味噌汁がしょっぱくなります。
コツ
味噌の風味を飛ばさないために、
具材が煮えてから味噌を溶くのがコツです。
具材のうま味を十分に引き出したスープに、
味噌を溶いて仕上げるようなイメージ。
とくに、大根など火が通りにくい具材の場合は、
完全に煮えてから味噌を溶きましょう。
食べる寸前に仕上げるのが理想です。
濃度の調節方法
濃いとき
お湯を足します。
水ではなく、お湯というのがコツです。
味噌汁の温度が下がるのを、防げるからです。
味噌は加熱するほど、風味が飛んでしまいます。
水道から出るお湯は40℃前後ですが、
水よりはるかに高温を保てます。
薄いとき
味噌ではなく、出汁を足しましょう。
塩分を抑えて、うま味を足せるからです。
出汁の原料であるかつお節や昆布には、
イノシン酸やグルタミン酸などのうま味成分が、
豊富に含まれています。
市販の出汁には、味噌よりも高い塩分が含まれているので、
注意してください。
《市販の出汁と味噌の塩分濃度》
- 液体の白だし:15ml当り2.7g(18%)
- 顆粒だし:1g当り0.40g(40%)
- 調合味噌:100g当り10.3g(10.3%)
簡単な出汁の取り方
かつおパックと出汁昆布を取り出さず、味噌汁の具にします。
出汁を取るうえで手間なのは、「こす」作業です。
ザルやボウルなど、余計な洗い物がでます。
出汁を取り終えたかつお節と昆布は、
具材として美味しいだけでなく、フードロスもなくせます。
《材料》
- 味噌汁一人分の水200ml
- かつお節パック1袋
- 出汁昆布10㎝程度の長さ
《手順》
- 鍋に水200mlを入れる。
- 出汁昆布は0.5~1㎝幅に切る。
- 鍋にかつお節と昆布を入れる。
- 具材と一緒に煮る。
かつおのえぐみが出ないように、
沸騰しない程度の火力で煮てください。
具材が煮えるころには、十分出汁も出ています。
おすすめの具材・便利な味噌玉
味噌汁を作る際に、なるべく包丁を使わずに済むと楽です。
おすすめの具材
- 長ネギ(刻んでおくとすぐに使える)
- 乾燥わかめ(一つまみ・1gが一人分の目安)
- 冷凍きのこ類(冷凍のまま入れるだけで便利)
- 最近は市販の乾燥野菜も便利
味噌玉でお手製インスタント味噌汁
あらかじめ一人分・18gで小分けした味噌に、
刻んだネギを加えて味噌玉を作ります。
お湯をかけるだけで味噌汁ができるので、とても便利です。
冷凍しても味噌は固まらないため、長期間保存できます。
冷凍の味噌玉を使う場合は、5分ほど常温にさらしておくと
味噌が溶けやすいです。
味噌汁一人分の適量は9~10%【まとめ】
- 味噌汁一人分の適量は水分に対して味噌が9~10%
- 作りたい味噌汁の量×9%=味噌の量
- 水分200mlなら必要な味噌は18g
- 計量カップ1に対して大さじ1杯
- 具材が煮えてから味噌を溶くのがコツ
あらかじめ一人分の味噌で味噌玉を作っておくと、
お湯を溶かすだけで味噌汁ができて便利です。
量った味噌の量を見た目で覚えておくと、
計量する手間すらも省けます。
目分量であっても、視覚的に記憶することで
再現性を高められます。