- じゃがいもが煮くずれしてない肉じゃがを作りたい。
- 煮くずれせずじゃがいもに味を染み込ませたい。
- 煮くずれしない肉じゃがの作り方を教えて。
じゃがいもが煮くずれしていない肉じゃがを作ることは、
難しくありません。煮くずれする前に火を止めればいいからです。
難しいのは「煮くずれさせずに味を染み込ませること」です。
味を染みさせるために長く煮込めばじゃがいもが煮くずれし、
煮込み時間が足りないと味が染みません。
この記事では「じゃがいもが煮くずれしない肉じゃがの作り方」
について詳しく解説します。
最後まで読むと「見栄えも味も完璧な肉じゃが」を作れます。
じゃがいもを煮くずれさせずに
味が染みた肉じゃがを作るコツは、
「高温で短時間に火をとおし・煮汁の中で冷ます」です。
煮くずれしない肉じゃがを作る【じゃがいもに味が染みる5つのポイント】
肉じゃがが煮くずれする原因は、
じゃがいもの細胞がバラバラになることです。
加熱することで細胞内のデンプンが膨らみ、
細胞同士が引き離されます。
煮くずれしない肉じゃがを作るには、
「高温で短時間に火をとおす」ことが重要です。
ただし、煮くずれしていない肉じゃがが、
必ずしも美味しいとは限りません。
じゃがいもに味が染みていないからです。
煮くずれせずに味が染みた肉じゃがを作るポイントは、
下記の5つです。
- 具材の量と鍋の大きさを合わせる。
- じゃがいもを切ったら水にさらす。
- 油で炒めてコーティングする。
- 強火で一気に加熱する。
- 一度完全に冷ます。
肉じゃがを作るときは、
フライパンを使うと煮くずれしにくいです。
間口が広いので、具材が重ならないからです。
形状的に具材を炒めやすく、短時間で表面が固まります。
具材の量と鍋の大きさを合わせる
肉じゃがに限らず鍋に隙間を作らないのが、
煮物を煮くずれさせないコツです。
少ないと鍋の中で具材同士がぶつかり、
多いと具材が重なって均一に加熱できません。
無理やり煮汁に浸そうとして箸でいじりすぎた結果、
煮くずれします。
肉じゃがの具材は鍋に入れたとき、
隙間ができないくらいの量がベストです。
じゃがいもは切ったら水にさらす
切り口のデンプンを洗い流すためです。
細胞内のデンプンは、加熱すると水を含んで膨らみます。
膨らんだ細胞同士がくっ付いていられず、
バラバラになることで煮くずれします。
じゃがいもの切り方は、ひと口サイズに切るのがコツです。
大きすぎると、火がとおるまでに時間がかかるからです。
長く火にかけるほど、じゃがいもが煮くずれしやすくなります。
油で炒めてコーティングする
多くの肉じゃがレシピに、じゃがいもを炒める工程があります。
コクを出すためでもありますが、
煮くずれしないために必要な工程です。
- 油でコーティングされる。
- 表面が熱で固まる。
- 加熱時間が減る。
油と焼き目でコーティングされて、
じゃがいもの表面が固まり強度が増します。
加熱時間が短縮できるので、煮くずれする前に火がとおります。
強火で煮て一気に加熱する
弱火で時間をかけて煮込むと、煮くずれしやすくなります。
加熱するほど、じゃがいもの細胞がバラバラになるからです。
じゃがいもを加熱すると、2つの反応が起こります。
- 細胞内のデンプンが膨らむ。
- 細胞同士をくっ付けている「ペクチン」の接着力が弱まる。
煮くずれを防ぐには「高温で短時間」に煮るのがポイントです。
じゃがいもが煮くずれする前に、完成させるイメージです。
ただし、材料同士がぶつかるほどの強火だと、
じゃがいもが削れて煮くずれの原因になります。
材料が踊らない程度の火力をキープしましょう。
火加減の目安は、中火から強火の間です。
肉じゃがの場合、長時間の加熱には向きません。
じゃがいもが煮くずれするからです。
煮くずれせず味を染みさせるには、
煮込む以外の方法が必要です。
詳しくは下記で解説しますが、
肉じゃがが冷めるときに味が染みます。
一度完全に冷ます
煮魚や翌日のカレーのように、
煮物は一度冷ますことで味が染み込みます。
【煮物に味が染みるメカニズム】
食材を煮ると、水分が煮汁の中に流出します。
加熱時に抜けた水分は、冷めるときに食材の中へ戻ります。
このとき、水分と一緒に調味料も食材の中へ入り込むため、味が染みるのです。
煮くずれした肉じゃがは、
正確には味が染みているわけではありません。
砕けたじゃがいものかけらが煮汁と絡むので、
味が染みているように感じるのです。
一度完全に冷まして味を染みさせ食べる直前に温め直せば、
見栄えも味も完璧な肉じゃがの完成です。
じゃがいもが煮くずれしない肉じゃがの作り方【失敗しない9つの手順】
上記で解説した5つのポイントをふまえて、
煮くずれしない肉じゃがの作り方を解説します。
完成までの手順は9つです。
じゃがいもと人参の大きさを揃えると、均一に火がとおります。
玉ねぎはくし切りにします。
切り口のデンプンをしっかり洗い流します。
水が白く濁ってきたら、デンプンが落ちているサインです。
目安は10分ほど、水が透明になれば完了です。
炒めるというより、表面を焼き固めるイメージです。
鍋やフライパンを激しくふると、じゃがいもがくずれます。
具材が被るくらいの量が目安です。
水分量が多いと食材が揺れて、煮くずれしやすくなります。
市販の本だしや白だしの素を使う場合は、
塩分が濃くなることを計算に入れておきましょう。
沸騰したら、調味料(めんつゆ)を加えます。
味付けは、市販のめんつゆでも十分美味しいです。
イチから味付けする場合は、酒・みりん・砂糖から加えます。
醤油のあとだと、味が入りにくいからです。
みりんには食材を引き締める効果があるので、
先に加えると煮くずれしにくくなります。
火のとおり具合は、竹串か爪楊枝を刺して確かめます。
じゃがいもと人参に串を刺し、
中までスッと刺されば加熱完了です。
肉で具材に蓋をするイメージです。
鍋の中が蒸し煮状態になり、ふっくら仕上がります。
後入れすることで、肉が硬くなりません。
肉のアクが気になる人は、熱湯にサッとくぐらせましょう。
すぐに水で洗えば、汚れと臭みが取り除けます。(霜ふり)
煮えたじゃがいもは煮くずれしやすいので、
落し蓋で固定します。
蓋をすることで煮汁を循環させ、
肉じゃがが乾燥するのを防ぎます。
落し蓋は、アルミホイルやキッチンペーパーで
代用可能です。
できたての肉じゃがは、煮くずれしやすいからです。
一度冷ましたほうが、煮くずれしにくく味も染みます。
食べる直前に温め直しましょう。
味付けは市販のめんつゆで十分美味しいです。
かつお節の成分が含まれているので、
水で作っても出汁の風味を感じられます。
煮くずれしにくいじゃがいもを使う
じゃがいもの品種によっては、
そもそも肉じゃがに向いていない場合があります。
スーパーで売られているのは、
おもに男爵いもとメークインです。
男爵いもは煮くずれしやすく、
メークインは煮くずれしにくい品種です。
下記のじゃがいもは煮くずれしにくく、
肉じゃがに向いています。
- メークイン
- インカのめざめ
- ホッカイコガネ
- レッドムーン
- マチルダ
- シンシア
- シェリー
肉じゃがのじゃがいもを煮くずれさせずに味を染みさせる方法【まとめ】
じゃがいもが煮くずれしない肉じゃがを作るには、
「高温で短時間に火をとおす」ことが重要です。
煮くずれせず味を染みさせる方法は、次のとおりです。
- 具材の量と鍋の大きさを合わせる
- じゃがいもを切ったら水にさらす
- 油で炒めてコーティングする
- 強火で一気に加熱する
- 一度完全に冷ます
じゃがいもの品種によっては、煮くずれしやすくなります。
スーパーでじゃがいもを買う場合は、
男爵ではなくメークインを選びましょう。
少しの手間と工夫で、料理はいくらでも美味しくなります。
今までとひと味違う肉じゃがを、ぜひ作ってみてください。