- アサリの砂抜き時間の目安が知りたい。
- 正しい砂抜きの方法を教えて。
- 砂抜きの時短方法が知りたい。
- アサリの保存方法を教えて。
- アサリの美味しい食べ方が知りたい。
アサリの砂抜きは、やりすぎると失敗します。
溜めた水の中にアサリを長時間入れておくと、
呼吸ができないからです。
アサリはエラ呼吸によって、水中の酸素を取り込みます。
溜めた水では流動しないため、水中に酸素が溶け込みません。
砂抜きを失敗しないためには、
適切な時間と正しいやり方が必要です。
この記事は、「アサリの砂抜き時間とやり方」について、
詳しく解説しています。
最後まで読めば、砂抜きを失敗することがなくなり、
いつでも美味しいアサリを食べられます。
アサリの砂抜き時間の目安は、次のとおりです。
- 潮干狩りで獲ったアサリ:常温で一晩。
- スーパーで購入したアサリ:常温で2~3時間。
【アサリの砂抜き時間】目安は3時間!失敗する原因はやりすぎ
アサリの砂抜きは、長時間やれば良いというものではありません。
砂抜きのやりすぎは、失敗の原因になります。
酸素不足により、アサリが窒息するからです。
溜めた水は海のように流動しないため、
水中に酸素が溶け込みません。
呼吸ができなければ砂を吐き出せないので、
砂抜きが不十分になってしまうのです。
アサリの砂抜き時間の目安は、次のとおりです。
《潮干狩りで獲ったアサリ》
常温で最低5~6時間、できれば一晩は砂抜きしてください。
一晩とはだいたい8時間くらいです。
調理過程において、
「数時間の差が大きな違いにならない場合」に
一晩という言葉を使います。
《市販のアサリ》
常温で2~3時間は砂抜きしてください。
夏場など室内の気温が高い場合は、
冷蔵庫に入れて水温が上がらないようにしましょう。
(水温の目安は20℃)
「常温で何時間も放置して大丈夫なの?」
全く問題ありません。
砂抜き中のアサリは、生きているからです。
むしろ冷蔵庫内は温度が低すぎて、アサリの動きが鈍ります。
人間も寒い所では、動きが鈍くなるのと同じです。
冷蔵庫に長時間入れておくと、スムーズに砂を吐き出しません。
夏場以外は冷蔵庫に入れたままにせず、
出し入れしながら水温をキープしてください。
最適な水温の目安は、20℃前後です。
水道水の温度は、
水道局のホームページを参考にすると良いでしょう。
【アサリの砂抜き方法】注意点やコツ・時短方法まで徹底解説!
砂抜き時間の目安がわかったところで、
正しい砂抜き方法を解説します。
市販のアサリも潮干狩りで獲ったアサリも、やり方は同じです。
- アサリを洗う。
- 3%の塩水を作る。
- バットにザルを重ねる。
- アサリを平らにして浸ける。
- ふたをして冷暗所にする。
砂抜きの方法
《用意するもの》
- バット、大きめのボウル(なるべく平らなもの)
- ザル、かご(足付きのザルが便利)
- 新聞紙、アルミホイル(ふた用)
《手順》
1. アサリを洗う
表面に付いている、汚れや雑菌を洗い流します。
水を溜めずに、流水で洗うのがコツです。
貝どうしをこすり合わせるように、優しく洗ってください。
激しく洗うと貝殻が欠け、破片が料理に混入します。
死んでいるアサリがいないか、確認する目的もあります。
死骸が混じっていると、菌の繁殖や臭いの原因になるからです。
死んでいるあさりの判断の目安は次の3つです。
- 口が開いたまま・水をかけても閉じない。
- 貝と貝をぶつけたとき軽い音がする(中身が空っぽ)。
- 腐敗臭がする。
洗いながら、ひとつひとつ丁寧に確認しましょう。
2. 3%の塩水を作る
海水と同じ塩分濃度3%にします。
目安は「舐めたとき少ししょっぱい」と感じるくらいです。
【簡単に3%の塩水を作るコツ】
500mlのペットボトル1本分の水に対して、
ボトルのキャップ2杯分の塩で約3%です。
よく混ぜて塩を溶かしてください。
3. バット(ボウル)にザルを重ねる
せっかく吐き出させた砂を、再び吸わせないためです。
バットとザルの間に、隙間ができるようにセットしてください。
足付きのザルがない場合は、
ペットボトルのキャップをザルの下におくと、隙間ができます。
4. アサリを平らに並べて浸す
重ならないように並べるのがコツ。
上のアサリが吐いた砂を、下のアサリが吸わないようにします。
水量の目安はアサリにかぶるくらい、貝の総重量の約3倍です。
水が多すぎると、エラ呼吸ができなくなります。
5. ふたを被せて冷暗所にする
海にいたときと同じ環境にして、呼吸を促すためです。
暗くすることで砂の中を再現し、アサリをリラックスさせます。
もうひとつは砂抜き中に吐いた塩水が、
飛び散るのを防ぐためです。
とくに、潮干狩りなどで獲ったアサリは、
多くの海水を含んでいます。
海水には腸炎ビブリオという菌がいるので、
周りに飛び散らないよう注意が必要です。
時間がたつとアサリから管が出てきますが、
きちんと砂を吐いている証拠です。
正常に砂抜きができていれば、
バットの底に砂が散らばっています。
砂抜きが完了したら、ザルに上げて30分ほどおきます。
吸わせた塩水の余分な塩を、吐かせるためです。(塩抜き)
うま味を引き出すコツ
乾燥しないよう濡れたキッチンペーパーをかけて、
常温で放置するだけです。
放置時間は、3時間を目安にしてください。
アサリはエラ呼吸ができなくなると、
体内に蓄積したグリコーゲンという成分をエネルギーに変えます。
このときに、貝類がもつうま味成分コハク酸が作られるのです。
温度が高いとアサリが傷み、低いと活動が鈍ります。
(室温の目安は20℃)
冷蔵庫へ出し入れするなどして、20℃をキープしましょう。
3時間以上おいても、コハク酸はさほど増えません。
アサリの砂抜き50度洗い
「そんなに時間をかけたくない」
という人のために、砂抜きの時短方法も紹介します。
《用意するもの》
- 大きめのボウル
- 50℃のぬるま湯
沸騰したお湯1:水道水1でだいたい50℃になります。
季節によって水温が違うので、水量は調整してください。
《手順》
- 50℃のお湯にアサリを入れる。
- お湯の中で、貝どうしをこすりつけるように洗う。
(手袋を着用すると、さほど熱くありません。) - お湯に入れたまま、5分ほど放置。
お湯が濁るほど砂を吐きます。
放置時間の目安は5分ですが、
余裕がある場合は15分ほどおくとさらに効果的です。
【アサリの保存・調理方法】加熱しすぎないのが失敗しないコツ!
砂抜き時間の目安と方法がわかったら、
アサリの正しい保存方法と、美味しく食べるコツを解説します。
保存方法は2種類、
調理方法はどんなアサリ料理にも共通します。
アサリの保存方法
すぐに調理しない場合は、冷凍保存がおすすめ。
冷蔵庫では、1~2日程度しか日持ちしないからです。
冷凍保存のメリットは次の2つです。
• 3週間ほど保存できる。
• 出汁が出やすくなる。
冷凍することでアサリの繊維が壊れて、
出汁が出やすくなります。
解凍の必要がないので、すぐに使えて便利です。
保存する前に、必ず砂抜きを行ってください。
《冷蔵保存の手順》
- タッパーなどで3%の塩水を作る。
- 砂抜きしたアサリを浸ける。
- ふたをせずに冷蔵庫へ入れる。
- 1~2日を目安に使い切ってください。
水がこぼれないよう、深めのタッパーがおすすめです。
ふたをしたい場合は、
ラップやアルミホイルに穴を開けてください。
密閉すると、アサリが窒息します。
砂抜きが完了していれば、温度が低くても問題ありません。
冷蔵保存は鮮度をキープできないので、早めに調理しましょう。
《冷凍保存の手順》
- 砂抜きしたアサリの水気を拭き取る。
- 冷凍用保存袋に入れて空気を抜く。
- 平らになるように冷凍庫に入れる。
(バットに並べると、急速冷凍できます。)
- 3週間くらいを目安に使い切ってください。
保存袋に入れる際は、しっかり空気を抜きましょう。
アサリの上に物をおくと、貝殻が割れてしまいます。
解凍せず、冷凍のまま調理してください。
下手に解凍すると、アサリが開かなくなります。
高温で一気に加熱するのがコツです。
時間をかけると貝が開きません。
アサリ料理のコツ
アサリ料理のコツは「加熱しすぎない」ことです。
すぐに身が硬くなってしまうからです。
「アサリの酒蒸し」と「味噌汁」を例に解説します。
全てのアサリが口を開けるまで、待ってはいけません。
貝にも個体差があり、加熱の速さが違うからです。
口が開いたアサリから引き上げていくのが、
失敗しないコツです。
味噌汁の場合は、
- 開いたアサリから一旦引き上げる。
- 全て開いたら再び鍋に戻す。
- 弱火にして味噌を溶く。
が失敗しないコツです。
どちらの場合も、
「口が開いたらすぐに引き上げる」のがポイント。
余熱でどんどん硬くなっていくからです。
アサリは口が開けば、中まで加熱できています。
余熱や鍋に戻し入れる時間を計算すると、
すぐに引き上げた方が良いのです。
アサリの砂抜き時間の目安【まとめ】
■アサリの砂抜き時間の目安
潮干狩りのアサリ:一晩(8時間くらい)
スーパーのアサリ:2~3時間
■アサリの砂抜き方法
- 洗う。
- 塩水を作る。
- バットにザルを重ねる。
- 平らに並べる。
- ふたをして冷暗所にする。
■砂抜きの時短方法は50度洗い
■アサリの保存方法は冷蔵と冷凍の2種類
■アサリ料理のコツは加熱しすぎないこと
砂が残ったアサリほど、美味しくないものはありません。
適切な砂抜き時間と正しい方法で、
いつでも美味しいアサリを食べてください。
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