あなたはウニが好きですか?
中には苦手な人もいるとは思いますが、
ウニが好き!という人は多いと思います。
私も大好きですが、いいお値段がしますよね。
たまの贅沢でしか食べられない高級食材だな
と感じている人も多いと思います。
でもそんな高級食材のウニが駆除されているのを知っていますか?
理由は、身が詰まっていないので売り物にならないことと
海の生態系を崩してしまう恐れがあるからです。
駆除するなんてもったいないと感じたかもしれません。
今回はウニが駆除される理由と
駆除されないようにしている取り組みについてみていきたいと思います。
ウニが駆除される理由って?
まずは日本のウニの事情について調べてみました。
ウニの漁獲量は北海道がトップ、
その次に東北地方、北陸、九州西部と続きます。
つまり北国と日本海側の地域ですね。
では関東より南の太平洋側には
ウニはいないのかというとそうではありません。
その地域にもウニはいますが、
食用にはならないんです。
ではなぜ食べられないのか?
ウニのエサは主に昆布などの海藻類です。
北国や日本海側にはエサとなる海藻類がたくさんあるので
ウニもすくすくと成長して、
中身の詰まった食べごろのウニになります。
しかし日本でも南の方の太平洋側には海藻類が少ないので、
ウニも栄養が足りなくて中身がスカスカになってしまいます。
また、海水温度も高いです。
ウニは海水温度が低いと活動が鈍くなりますが、
海水温度が高いと活発的になって海藻類をたくさん食べるので、
海水温度が高いとウニが活発な状態が続いて
海藻類が育つ隙がなくなってしまいます。
元々少ない海藻類がウニに食べられて
さらに少なくなってしまいますよね。
そしてウニは飢餓に強いので
餌がなくても成長していきます。
中身がスカスカな状態のまま成長して
海藻類を根こそぎ食べつくしてしまいます。
スカスカなウニは食用では売れないので収穫されない。
そんなウニが放置されて、増えていくせいで、
数少ない海藻類もなくなってしまって
魚が住む場所も奪われて生態系が崩れてしまいます。
そして一度海藻類がなくなってしまうと元の状態に戻すのは難しい。
ウニのせいで海藻類がなくなって海の環境が大きく変化してしまうと、
気象や海の環境の変化が起こらない限り、
海藻類が再生することはないと言われています。
だからウニを駆除しているんです。
海の生態系を守るために駆除しているわけですね。
野菜で育てるウニ?
ウニは駆除されるとき海中で叩き潰されて駆除されていました。
せっかくのウニを身が詰まっていないだけで
駆除してしまうのはもったいということで、
廃棄する野菜の切れ端をウニに食べさせて
養殖する研究も進んでいます。
その中にキャベツウニというものがあります。
これは神奈川県水産技術センターが研究開発をしていたもので、
既に商標登録もされて地元のスーパーにも売り出されています。
なぜたくさんある野菜の中でキャベツなの?
研究のときに、食べ飽きたら違う野菜をあげるという方法を繰り返していて
色んな野菜をあげてみた結果、
特に葉物の野菜を好んで食べることがわかったそうです。
神奈川県では4月から6月にウニを養殖しているようで、
ちょうど売り物にならない春キャベツを餌にあげていたようですよ。
そしてキャベツで育てたウニは中身も詰まっていて、
甘く、苦みも少ない、磯臭さもないことから、
ウニが苦手な人でも食べやすいと言われているようです。
山口県下関市でも神奈川県と同じような研究がされていて、
こちらも中身がスカスカなウニに色々な野菜をあげているようで、
トマトを一番食べているようです。
まだ商標登録や販売はされていないようですが、
このような研究が進むことで、廃棄される野菜も減るし、
磯臭さの少ないおいしいウニがたくさん養殖されていくかもしれませんね。
まとめ
ウニは高級食材で高く売れる物。
今まで私はそのような認識でいました。
駆除される対象になっていると聞いたときは
もったいないし、なんで?と思いました。
ウニが増えて海藻類が食べつくされて
魚が住む環境がなくなっていくもの問題です。
その結果、海の生態系が変わってしまうことによって
漁師さんも困ります。
海の生態系を守るために
ウニを駆除していることを知ることができました。
しかし駆除するだけでなく
廃棄の野菜を与えて養殖する研究や
販売も進んでいる。
そういう研究がもっと進んで、今
後たくさんのウニが
ムダなく食用になる可能性が高くなっていくと感じます。
もしかしたら今より安く美味しいウニが食べられるようになるかも?
という期待も込めて今後のウニの駆除や
野菜での養殖に注目していきたいですね。
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